2022年12月23日

第1回マイナビニュース杯電竜戦統一ハードウェア戦の予選リーグ流れ

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こんばんは。2022年12月22日、第1回マイナビニュース杯電竜戦統一ハードウェア戦が始まりました。こちらは電王トーナメント以来の統一ハードウェア戦で、ハードウェアを公平にして、真に最強の将棋AIを決める大会となっています。

詳細はこちら
大会概要
中継サイト

本記事では、240局の予選を2か月で行うって聞いたけど、具体的にどんな感じなの?
どうやったらより楽しめるの? ということに焦点を当てた記事を書きます。

予選の概要

予選は第3回電竜戦本戦出選抜された16ソフトで総当たり戦を行います。そして上位4チームが準決勝に選抜されます。
予選の各対戦は先手と後手を入れ替えた2局を必ず行うことで、先手と後手の不公平がないようにします。
電竜戦では2回表、2回裏といった表現をします。
(近年将棋AIでは先手と後手の勝率差が非常にシビアになってきている)

16チームいるということは、必ずその回戦で8試合あるわけて、それが1回表、2回表・・・15回裏の計30回なので、8×30=240局の将棋があることになります。

今回のハードウェア統一戦は各自のAIを運営に預け、運営が2台のマシンで回していくことになります。
従って1試合ずつしかできません。そしても時間は30分と1手ごとに5秒加算ということで将棋AIの大会としては非常に長時間です。そうすると、一日そんなにできなくて一日8試合とすると、240局するのに1か月と非常に長い戦いになります。

私はこれをポジティブに思っています。一つの将棋をじっくりと見る方が私にはあっていますので。
ぜひ時間のある時に鑑賞してみるとよいと思います。

中継サイトの活用方法

対戦表のページですが、

taisenhyo.png

今どの回戦で、誰と戦うようになっているのか確認できます。対局中、あるいは終了していればクリックすると棋譜が確認できます。これを執筆時点ではまだ1回表で勝敗がついていないのでわかりにくいのですが、勝敗もわかるようになっていて、勝ち星の多いチーム順に上から並んでいます。これを下からの順に対戦させていきます。相撲でいえば、前頭下位から相撲を始めて最後は横綱みたいなイメージです。ですので対戦が進むにつれ、注目対決となっていきます。1局だいたい1時間前後のようですので、自分の見たい対局が大体いつくらいかこれで把握することは可能です。

勝敗表

syohaihyo.png

勝敗表はこちら
これまでの対戦履歴、棋譜、順位、誰と対局予定か、といったことはここで管理できます。
大会参加者はだいたいこちらのページを見ています。
ここでその回戦中においてどの順序で対戦が始まるかは前節で述べました。では、1回裏が終わったとして、2回表はどうやって対戦相手が決まるのでしょうか?初めから決まっているのでしょうか?
電竜戦で採用している方法としては、これまでの勝敗を見て、順位が離れている組み合わせを選んで決めています。特に上位陣の方に重みをつけているので、要は1位と2位が絶対あたらないような組み合わせを選んでいます。そうすると最後の最後で優勝決定の一番になるという考えです。とはいっても高々15通りしかない組み合わせの中でさもそれっぽい組合せを選ぶというわけなので、選択肢は少ないので必ずそうなるとは限らないです。ただ電竜戦ではこの方式で今までのところは大体意図通りにはなっています。

 なお、この勝敗表のページで棋譜リンクというところがあり、ここをクリックするとそのAIの棋譜がすべて見れます。つまり自分の見たいAIだけ抽出できるので便利です。

リーグ表
league.png

リーグ表はこちら
これは勝敗表を組み合わせ表にしたものです。まだ誰と戦ってないとかわかります。また、これ順位で並べるので、ジャイアントキリングがあったかどうかというのも確認できたりするので、結構考察のしがいがあります。

ライブ専用棋譜

ライブ専用棋譜ページはこちら

迷ったらここ(笑)。要は今対局中の棋譜が出てきますので、とにかくこのページを見ていれば将棋が見れます。

まとめ

今回の予選では16チーム表裏総当たりで、1局ずつ全240局行います。持ち時間は30分+5秒加算でロングなので、全部消化するのに1〜2か月くらいかかる見込みです。中継サイトの活用の仕方がわかってくると、電竜戦より楽しみますので、ぜひ今後もご覧ください!
posted by カツ丼将棋 at 00:48| Comment(0) | 電竜戦

2022年02月25日

電竜戦例会を開催します。

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電竜戦TOP

こんにちは。
明日、2022年2月26日21時頃より電竜戦の例会をzoomにて開催します。
電竜戦に参加されたことのある方は電竜戦SlackにてZoomのリンクをお送りします。
それ以外の方で参加されたい方は、電竜戦のHPのお問い合わせからメールをするか、私(@katsudonshogi)にDMください。

例会というのは、電竜戦に関してなんでもざっくばらんに話し合いをする場です。
たくさんの建設的なご意見をお待ちしております。
posted by カツ丼将棋 at 22:42| Comment(0) | 電竜戦

2021年05月08日

第2回電竜戦TSEC 開催要項!

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電竜戦TOP

こんにちは。
指定局面から行う第1回電竜戦TSECを昨年末(2020年12月31日)に行いましたが、
大みそかはさすがにバタバタということもあり、今年はオリンピック前の7月に
実施します。

具体的には以下の要項です。
大会名:第2回世界将棋AI電竜戦TSEC
TSEC=Top Shogi Engine Championshipの略で、チェスのTCECを参考にしており、
 指定局面から対局を開始するのが最大の特徴です。

<申し込み方法>
 こちら

<解説・聞き手>
7月18日(日)ファイナル第3部 08:00-13:00頃
解説:日本将棋連盟棋士 阿部健治郎七段
聞き手:VTuber真澤千星(@chisei_mazawa)

<賞金>
優勝   4万円
準優勝  1万円
予選次点 5,000円

<参加費>
 無料

<参加区分>
人間、人間複数、AI、人間・AI合議
※人間の参加もお待ちしてます!

<予選>
2021年7月3日(土)
18:30 講演 「将棋AI超入門。アルファベータ探索とは」 講師 松本浩志(カツ丼将棋開発者)
20:00 予選開始、12回戦、完全スイス式
 12回戦終了後、上位4チームによりファイナル決定リーグを行う(総当たり3局)
 上位2チームがファイナル進出となる。それ以外はB級リーグとなる
翌日昼前くらい、イベント終了
持ち時間:5分2f(1手ごとに2秒加算)

<ファイナル>
2021年7月17日(土)
18:30 講演 「内容未定、入門向け」 講師 芝世弐(二番絞り開発者)
20:00 ファイナル・B級開始
 オリンピック33競技にちなみ、33回戦行う。そのうち11回戦ごとに3つの部門にわける

第1部 土曜日20時〜「相振り・B級その他部門」
第2部 日曜日1時くらい〜「相居飛車部門」
第3部 日曜日8時〜「対抗系部門」

※第3部は阿部健次郎七段が解説します。
制覇した部門がもっとも多いプレイヤーを総合優勝とする。
持ち時間:基本3分2f。スケジュールによっては2分2f、1分2fと短くすることあり
※2021/7/13追記:ファイナルが3分2f、B級を1分2fが基本となります。
ただし、第3部はB級を2分2fにする方向で考えています。


<共通事項>
最大手数=512手、先手の千日手=0.4勝、後手の千日手=0.6勝

主催:NPO法人AI電竜戦プロジェクト
  (これまで電竜戦を開催してきた電竜戦実行委員会をNPO化させました)

共催:岡山自作AIの会

大会の意義は前回の大会要項のこちらを参考にするとよいでしょう。

・・・というのが大会要項となります。
講演というのがありますが、単に対局するだけではなく、そもそも将棋AIなんてなんだろう、
自分でも作ってみたいけど、そもそもなところがわからない、という方向けに将棋AIの技術紹介をします。
ぜひ興味をもって、開発をはじめてくれればうれしいです。
次に電竜になるのはあなたです!

<寄付のお願い>
電竜戦の運営は皆様からの寄付金で成り立っております。
具体的な口座などはこちら
口座が電竜戦実行委員会になっておりますが、移行中にて、実際はNPO法人AI電竜戦プロジェクトとなります。
NPO法人でありますので、非営利の公益活動であります。ぜひご支援をお願いします。

寄付には賞金指定も可能です。例えば「対抗系部門」の優勝者に賞金、ということもできます。
より強い振り飛車を望まれる方等にはそういう支援の仕方があります。

それでは最高の将棋を実現すべく引き続き頑張りますので
応援よろしくお願いします。denryu_banner.jpg

2021/7/13 追記:聞き手、開始時刻、持ち時間を追記
2021/6/27 追記:賞金を追加
2021/6/16 追記:解説に阿部健治郎七段を追加


2021/5/11 追記:本大会は、1回戦ごとに先手と後手を入れ替えて1セットとなっております。
つまり、3回戦というのは3回の表と3回の裏のように野球のようになっています。
TSECのような指定局面では、初期局面ほど先手と後手を互角にはできないので
必ず先後入れ替えてやらないと平等にはならないです。
posted by カツ丼将棋 at 22:19| Comment(2) | 電竜戦

2021年01月01日

第1回電竜戦TSECの結果のご報告

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電竜戦TOP

中継サイトはこちら

新年あけましておめでとうございます。本年2021年もよい年となりますよう引き続きよろしくお願いします。
さて、年末に電竜戦TSECという将棋界初の指定局面戦、しかも24時間耐久108番勝負という前代未聞の将棋を行いました。

詳細な要項についてはこちらをご覧ください。

まず予選については完全スイス式15回戦が行われ、もつれにもつれて最終戦で確定しました。
BURNING BRIDGE と どうたぬき 極 がファイナルで108番勝負することとなりました。
それ以外の方はB級ウルトラリーグで108番勝負ということになりました。
予選の勝敗表はこちら

そしてファイナルが年末に24時間かけて行われ、
BURNING BRIDGEがどうたぬき 極を65勝43敗で圧倒し、優勝と成りました!
これはR差にすると70となります。
勝敗表はこちら

B級ウルトラリーグですが、36チームの参加となり、
6回戦リセット付きスイスというのを考案し、108番勝負することとしました。
普通のスイス式であれば一度戦った相手とはしないのですが、
そうすると、上位陣が下位陣との対局が多く組まれるようになり、
やはり観る側としては、上位陣の熱いカードが見たいわけです。
そこで6回戦うごとにリセットすることで、熱いカードが続くようにしました。
結果、水匠が78勝30敗と、二位に12.4勝引き離して圧倒してB級優勝と成りました。
勝敗表はこちら

みなさん長時間お疲れさまでした。

指定局面ということで、電王戦のあの時のあの場面から人間は勝てたのか、とか、
典型的なテーマ図とか、相入玉のド終盤とか、多種多様な局面を指定しました。
こちらについてはまたいずれ取り上げたいと思います。

それでは本年もよろしくお願いします。
posted by カツ丼将棋 at 23:13| Comment(0) | 電竜戦

2020年11月24日

【結果まとめ】第1回世界将棋AI電竜戦

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電竜戦TOP

第1回世界将棋AI電竜戦(2020/11/21-22)無事終わりました!
参加してくれた方、長時間視聴してくれたか方、スタッフの方本当にありがとうございました!


優勝 GCT電竜 (50万円!)
準優勝 Grampus(30万円)
3位 Qhapaq Overfit Adventure (15万円)
4位 みずうら王 with お多福ラボ
5位 BURNING BRIDGES

独創賞 AobaZero
若竜賞 koronプロジェクト(13歳!) (3万円)
人間最強賞 うさぴょんの育ての親(人間) (3万円)
B級優秀賞 koronプロジェクト (2万円)
TAKESHI賞 Qhapaq Overfit Adventure (2万円)
竜馬の躓き賞(ブービー) 十六式いろは改二 (1万円)
バレルハウス賞 dlshogi (Tシャツ)

という結果になりました。GCTというディープラーニング勢がみずうら王を筆頭とした
CPU勢を押しのけての優勝となりました。これはコンピュータ将棋界初の快挙であり、
大きな転換点ともいえるでしょう。

25歳以下の成績最上位に与えられる若竜賞は13歳のkoronプロジェクトとなりました。
非常に若く、将来が楽しみすぎますね。同時にB級優秀賞を受賞しております。すごいの人いこと

人間最強賞はうさぴょん育ての親さんになりました。
奨励会に入れるレベルの拙作カツ丼将棋が研究手順(王手飛車をかけさせてる間に攻める)に
見事にやられ、74手で敗北しました。駒得を目指しがちな強くないAIの弱点をうまくつかれました。
棋譜はこちら

注目のTAKESHI賞はQhapaq Overfit Adventureとなりました。
これは成績優秀の振り飛車を表彰するものです。放送中でも「これはいいTAKESHIですね!」
みたいな会話で盛り上がっていましたね!
向かい飛車から中飛車まで、すべての振り飛車を駆使しての見事な成績でした。

独創賞はAoba Zeroとなりました。
普通にやれば50手で詰ますことのできるれっさー改にも慎重に324手かけて宣言勝ちしました。
棋譜はこちら
この宣言勝ちを目指す将棋は、将棋の本質なのかもしれません。今後注目です。

本大会の棋譜を確認するのは入り口はこちらの中継サイトです。
とくにA級は人間を超越した熱い戦いをしておりますのでぜひご覧ください。
こちらから、みたい戦いをクリックするとよいです。

この電竜戦はまだ今回が1回目で実績のない段階なのに多くの方からの支援をいただきました。
心の底から熱く厚く御礼申し上げます。
こちらの方々です。

この電竜戦、来年もこの時期に第2回を開催するつもりでいます。
その他年末に指定局面からの100番勝負企画(これから開発します。。。)や、
定期的に予行演習イベントでいろいろテーマを設けて実験を行って、
来年もっと参加しても面白い、中継をみていても面白い大会、それが電竜戦!となるよう
頑張っていきますので引き続き応援よろしくお願いします!

あと各種まとめをしておきます。
放送
公式初日YouTube
公式最終日YouTube
どうたぬきさんの初日YouTube
どうたぬきさんの最終日YouTube
シュガーすぎうらさんの初日YouTube
シュガーすぎうらさんの最終日1YouTube
シュガーすぎうらさんの最終日2YouTube

ブログ 詳細な棋譜等はスポンサー様や参加者のブログをご覧ください。















posted by カツ丼将棋 at 20:50| Comment(0) | 電竜戦

2020年11月17日

電竜戦の大会タイムテーブル

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2020年11月21日ー22日に行われる第1回世界将棋AI電竜戦について、
タイムテーブルのお知らせをします。

こちらです。

ざっくり対局自体は10時から初めて18時過ぎに終わるイメージです。
それに開会式や表彰式を挟める感じです。

21日 初日
開始時刻 項目
0900 一斉テスト対局
0930 開会セレモニー(挨拶、ルール説明等)
1000 1回戦開始
1045 2回戦開始
1130 3回戦開始
1215 休憩
1315 4回戦開始
1400 5回戦開始
1445 6回戦開始
1530 7回戦開始
1615 8回戦開始
1700 9回戦開始
1745 10回戦開始
1830 千田ShowTime!(1日の振り返り、棋譜解説等)
1930 結果発表
2000 終了、zoom飲み会編

22日 最終日
開始時刻 項目
0900 一斉テスト対局開始
0930 開始セレモニー(挨拶、ルール説明等)
1000 1回戦開始
1045 2回戦開始
1130 3回戦開始
1215 休憩
1315 4回戦開始
1400 5回戦開始
1445 6回戦開始
1530 7回戦開始
1615 8回戦開始
1700 9回戦開始
1745 千田ShowTime(1日の振り返り、棋譜解説等)
1900 結果発表、表彰式
2000 フィナーレ。Zoom打ち上げ編へ

基本的にこのタイムテーブル通りの進行を目指します。
時間がすごく余っても早めることはしません。

それでは電竜戦をお楽しみください!
posted by カツ丼将棋 at 22:07| Comment(0) | 電竜戦

2020年08月16日

電竜戦の立ち上げの経緯

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こんにちは。
電竜戦をどうして立ち上げようと思ったか、いくつかの要因がありますので箇条書きにすると、
 ●電王トーナメントがなくなって大会が年1回しかなくなった。
 ●将棋AIの発展のためには半年ごとに大会がを開くというのが一つの方法だと考えた。
 ●コロナ渦で中止になったWCSCの代わりのオンライン大会、好評であった。
  ⇒参加者も手軽、運営も手軽
 ●選手権はオフラインで開発者が集まることを重視している、一方で交通費・宿泊費とか大変。
  これで秋もみんなで集まろうぜ、というのは無理であろう。

こうしたことから、「春はオフライン、秋はオンライン」とすると自分の中でパズルのピースがはまった感じがした。ところがコンピュータ将棋協会は理事が高齢化し、本業もお忙しいということで「君がやるんならどうぞご自由に」ということだったので、勢い余って手を挙げて今に至る。。。

あと対局サーバさえ調達できれば、マッチメイクや順位の管理をするツールはエクセルでちょろちょろつるくのは得意技なので gana be OK 何とかなるさ、とも思いました。

それと、現状の選手権の中継サイトは読み筋をサーバに送れないという重大な使用のため、中継サイトの棋譜を見てもどっちが勝っているかわからない(これについては別に取り上げるが、すでにkoronさんのブログが詳しい)



右も左もわからない中、勢いでイキって手を挙げた電竜戦であるが、うさぴょんの池さん、白ビールの芝先生の協力もあり、なんとか形になってきました。さらに予行演習に積極的に参加していろんな意見やアイディアを出してくれるメンバーのみなさんのおかげで日増しに電竜戦システムは進化してきました。

サーバー周りや中継サイト周りのことはまた次回。

posted by カツ丼将棋 at 21:50| Comment(0) | 電竜戦

2020年08月09日

ようこそ電竜戦へ

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こんにちは。

こちらは世界コンピュータ将棋オンライン電竜戦の情報発信用のブログです。
こちらのブログでは電竜戦のあらましや準備日記、開発者たちのインタビューなどの
情報発信をしていきますのでよろしくお願いします。

電竜戦は、一言で言いますと秋に行う将棋AIの世界大会です。

どういう想いや経緯で開催立ち上げを決めたかは次回です。

タグ:将棋 ai 電竜戦
posted by カツ丼将棋 at 00:32| Comment(0) | 電竜戦